ここ数年「日本の国際化」論が非常に盛んになってきている。その「国際化」は「海外での国際化」と「内なる国際化」とに分けることが出来るが,ここでは「内なる国際化」について論じた。「内なる国際化」は,具体的には外国人の大量流入に伴い,彼らに住みやすく働きやすい社会環境を提供すること,外国の商品・資本の流入を妨げないように市場制度,慣習,関連法規などを改善・改正すること,地球環境問題に地球市民として対応するという観点からの企業行動,地域社会,生活の見直しなどが主な課題となる。それらの課題を「経済・社会制度面での国際化」以下,「商品開発やサービスでの国際化」まで8項目に分け,その現状と問題点を論じた。これらの「内なる国際化」の必要性は,世界経済の中で日本の占める割合が急速に増大し,世界市場における日本のプレゼンスが巨大となったこと,一言でいえば「日本の経済大国化」に起因している。また,地球環境問題への対応の必要性は,仮りに日本が経済大国ではなかったとしても生じ得る問題ではあるが,経済大国として問題解決への大きな貢献を強く期待される立場におかれており,その貢献を諸外国と同様のルールで,かつ率先して行わなければならない点で,上記とはやや異質な側面を有した「内なる国際化」(思想・観点・貢献)といわなければならない。国際社会で日本が市民権を得るために不可避の課題といえる。